現代シャープペン事情~S3篇~
2012年 10月 16日
「現代シャープペン事情~S3篇~」をお届けいたします。
これまでの記事は以下のとおり。
現代シャープペン事情~クラスで人気のシャープペン篇~
現代シャープペン事情~クルトガ篇~
現代シャープペン事情~Dr.グリップ篇~
どれも長いです。すみません。
クルトガ、Dr.グリップに続いて、S3についてたずねることになった経緯は前回書きました。
クルトガの対抗馬はS3ではないかと小生が勝手に思い込んでいたことがきっかけです。
しかし、なぜクルトガの対抗馬がS3だと思っていたのでしょうか。
理由は2つ。
・街角でS3ほどよく見かけるシャープペンはない。
・店頭でコンスタントに売れたという印象がある。
特に前者は自信があったというか、マック、スタバ、フードコートなどで勉強している高校生、大学生はまず間違いなく使っている気がしたんですよ。
あの人たちどこに行っちゃったんだろう…
まあ、学生を離れて十数年。
学生とふれあう機会も特になく、リアルな報告にはかなわないものです。
それでもこの機会にS3についてのコメントも拾ってみたくなったのでした。
さて、「クラスで人気のシャープペン篇」においては大学生にしか支持されなかったS3。
森野カノコさん(大・女)からは、「売店の中で一番デザインがまともなのが理由」ではとの冷静な分析が、同じく大学生のライホウさん(男)からは、「S3と(ぺんてるの)グラフギア500で人気を二分している」との報告が寄せられました。
これだけを見ると、あたかも大学生になると製図用シャープペンが人気になる感じがしますが、何しろたった2人だけの意見ですから…(´_ゝ`)
もう少しS3についての「クラスメイトの声」のようなものを聞いてみたいところです。
大学生になると、なかなか「クラス」のようなまとまった単位になりにくいのでつかみにくいですが…
もしかしてクルトガの名前が出てこないのは、クルトガ以前の世代がそのまま育った結果なんでしょうか。
大学生なんて、文房具に興味のない人は高校生の延長で特にシャープペンにてこ入れしない印象もありますし。
クルトガは2008年に出ましたから、その頃クルトガに手を出さずに大学受験を乗り切った人たちがあるいは…
もちろん文房具好きの方はライホウさんのようにどこかでクルトガに出会うはずですが。
それにしても、森野カノコさんの大学の売店の品揃えが興味深い。
S3が一番まともに見えるシャープペン売場とはいったい…
今、大学時代の売店を思い出そうとしているのですが、ZEBRAの¥100シャープに大学名が入ったものがあったような記憶が。
もちろん買ったわけですが…(案外使いやすかった)
閑話休題。
全体の意見を聞くことのできなかったS3ですが、個人の意見というのは結構集まりました。
いやそれどころか、「愛用のシャープペン」にあげた人数がすごい。
6人です。
クルトガ、Dr.グリップの2人に比べるとかなりの支持者数ではないでしょうか。
S3を「愛用のシャープペン」に指名したのは以下の方々。
もりたかさん(中・男)
ニカさん(中・女)
レイさん(高・男)
じぇのさん(高・男)
森野カノコさん(大・女)
あずさん長男(元高校生)
これら皆さんのコメントの内容を見ていくと、評価のポイントは細さ・軽さに関するものと、芯径やカラー展開などのバリエーションの豊富さに関するものに大別できるようです。
S3の細さや軽さを好きな理由にあげた森野カノコさんからは「手が小さいほうなので丁度いい」というコメント。
なるほどDr.グリップが苦手なのもうなずけます。
これは、けいさん(高・女)からも同様のコメント。
また、S3のバリエーションの豊富さのうち、芯径のバリエーションを好きな理由にあげたのはレイさん、ニカさんのお二人。
このお二人、偶然にもまったく同じ改造をしているんですよね。
すなわち0.5の口金を0.4に取り換えて使っているという…
本当に皆さん似たようなことをやっておられるんですねえ…(´_ゝ`)
カラーバリエーションを評価する声は、けいさん、森野カノコさん、shokoさん(中・女)、須々木さん(中・女)などの女性陣から。
カラーバリエーションはこのたびさらに増えたみたいですね。
黒とかピンクとか案外なかったみたいで。
スケルトンカラーが苦手だとおっしゃっていたよもぎんさん(中・女)、この機会にいかがですか。
一方低評価のコメントを見てみると、例えばライホウさん(大・男)からは細くて書きにくいとの意見。
おそらく太軸好きのライホウさんにはまったくノーサンキューなシャープペンであることでしょう。
さらにmattariettoさん(高・男)からは¥100シャープペンと変わらないという厳しい意見が。
また、愛用している方からも一声あるのが「口金の段差」について(もりたかさんの「ペン先の段差」をそう解釈しました)。
まあこれは製図用シャープペンですから…
あとは長時間だと軽すぎて疲れるという意見がニカさん。
すべりやすいというダメ出しが須々木さん。
Dr.グリップには肯定的なコメントを出したライホウさん、須々木さんがS3には否定的というのはおもしろいですね。
やはり太軸&グリップ重視派からすると、S3は正反対のシャープペンですものね。
こんな感じで好き嫌いは分かれるものの、クセがないのが選ばれる強みなのか、愛用されている方は多いという結果になりました。
大学生だけじゃなく、現役中高生からも支持があるのはうれしいですね。
クルトガやDr.グリップと十分渡り合えているということですから。
その一方で、「印象がない」(あんずさん・高・女)、「知らなかった」(ぽにょさん・予備校・男)、「使ったことがない」(ねぎさん・高・女)というコメントがあるのも事実。
クルトガやDr.グリップを知らないという人はいませんでしたから、浸透するのもなかなか大変ということが分かります。
ということで、最後にS3について少々補足を。
そもそもS3というのは、「使いやすい低重心設計」がうたい文句の「Sシリーズ」の入門モデル。
すなわち、プラスチック軸のS3、ラバーグリップのS5、ローレットグリップのS10、そして樹脂含浸カバ材のS20からなる「Sシリーズ」ファミリーの切り込み隊長的存在だと思うわけです。
しかしこれらのうち、S3にだけ「低重心設計」の言葉がないんですね。
「Sシリーズ」としては「低重心設計」が売りなんだけれども、S3はバランスにまで手が回らなかった。
でも、口金もクリップも金属で、口金はこだわりの製図用シャープ仕様だし、芯径の展開も豊富だよ。
そんなシャープペンじゃないかと思うわけです。
そういうことからすると、mattariettoさんがS3を¥100シャープと変わらないと評したのも一理あるのですが、バランスはさておき、口金やクリップのことを考えるとやはり¥100というのは無謀というか、まあ小生などは妥当な価格に感じます。
先ほどもご紹介したように、S3のユーザーからは細くて軽くて使いやすい一方で、長時間だと疲れるという声もあがっており、それこそがS3の魅力と限界という気がします。
さらにS3に多くを求めたい方は、S5、S10へとグレードを上げるか、他社の製図用のシャープペンを試してみるかということになるのかもしれません。
が、ここで思うのは、われわれは1本のシャープペンだけを使うのではない、ということです。
筆箱には何本かのシャープペンが入っていて、これに疲れたらあれ、あれに飽きたらこれ。
そんなふうに使っているんじゃないかと思うんです。
少なくとも人生でもっともシャープペンを使う世代の人たちは。
なので、S3が完璧じゃなくても、何かで補うことができる。
でも、スタメンから完全に外れる確率は一番低い。
なぜなら、シンプルでスタンダードだから。
突出した特徴がない代わりに、持っていると安心できるシャープペン。
そんな感じかなと思います。
なお、小生がこのS3をひいきにするのは断然次の理由です。
突針付き。
S3なんてケッと思われる方も、突針の欲しい方は大勢いるはず。
シャープペン好きの皆さんのこと、シャープペンを使う上でのトラブルも数々あることでしょう。
それらの多くが突針さえあれば解決するトラブルだとしたら?
もうここは突針のためだけにS3を入手しておきましょう。
当方回し者でもなんでもないのですが、あの突針を魔法の針としていくたびの修羅場をくぐり抜けて来た者として、断然S3はおすすめしたいシャープペンです。
また猫町が細かいことを言い始めたなどと思うなかれ。
この売り文句、なんと先日のPILOTの展示会のS3コーナーのフリップにも書いてあったんですから。
もちろん興奮して「突針ーーーーー!」と叫んでしまったわけですが。
ということで、突針ならS3。
S3といえば突針ですよ、皆さん。
しばらく訪問できないでいた間になんと楽しい企画が・・・っ!
ウチの大学では、圧倒的にクルトガが強いですね。6〜7割はクルトガユーザーです。
クルトガに大差を付けられていますが、次点でDr.GripとS3とカラーフライトが同じくらいいます。
学生時代に使ったものって大人になっても思い出として心に残ると思うので、私達が40代や50代になってもクルトガや他の人気シャープが健在だと嬉しいです。
私は専門学校の教師なのですがこちらの学校でもやはりクルトガ、Dr.Grip、S3(時々S5)の三強が占めてますね~。個人的にはぺんてるのスマッシュの布教活動に励んでるんですが…
また面白い記事を期待しています。
私はもう使い心地がわからないくらいしか使う機会がないので、買ってみようと思います。
あと私イチオシのRotringのTikky、
STAEDTLERのトリプラス(私のは夫に貸したら帰ってこなくて)、
使い手のいなくなったairfit2+S、
を送る予定です。
そんで私はシャープペンシル卒業で、鉛筆+芯ホルダーに行こうかなぁ。
はじめまして。
ようこそ無罫フォントへ。
なるほどなるほどー
やっぱり大学生にもクルトガは人気なんですねー
皆さんいつ出会ったんだろう…
出会ったらもう手放せなくなるものなのかしらん…
でも二番手にDr.グリップ、S3の名前があってよかったです。
あまりにもデータが少ない調査なので、結果がとんでもないことになっている危険性は常にあるので。
おっしゃるとおり、学生時代に使ったものは思い出として心に残ります。
30年後のクルトガ…
ちょっと想像がつきませんね。
シャープペンはまだあるんでしょうか(そしてその頃小生はまだ生きているのか)…
はじめまして。
ようこそ無罫フォントへ。
クルトガ、Dr.グリップ、S3の3強ですか。
よかった、S3が全然的外れじゃなくて…
スマッシュの布教活動いいですね!
今後ともよろしくお願いいたします。
甥っ子さん、S3大丈夫でしょうか…
クルトガ、Dr.グリップがダメだった原因を追究したほうがいいように思いますが…
S3は細軸なので疲れる人は疲れると思います。
ぺんてるのタフシャープとかのほうがいいかも…
ああ、やっぱりクルトガたちが壊れた原因が知りたいなあ。
芯ホルダー、楽しいですよ。
太芯シャープもおすすめです。
私が太軸が好きなのは、恥ずかしながら持ち方が変だからなんです。どうしても手に力が入ってしまうような持ち方なので、細軸では手がすぐに痛くなってしまって…。けれど最近持ち方を直しているので、S3もよく使うようになりました。愛用のシャープペンにあげたGRAGH1000も細軸ですが、絶妙な重さと低重心で、重宝しております。つまらない話でしたね。すみませんでした。
次の記事も楽しみにしております。
突針重要ですよね。
昔はファンシーなシャープペンにだって付いていたんですよ(須々木さんが生まれる前の話ですが)。
持ち方が変なのは小生もです。
細軸は正しく持っても疲れますから、悪い持ち方だとなおさらですよね。
でも小生は細軸派。
ぺんだこが2つできても細軸派。
単に見た目が好きなのかもしれません。