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無罫フォント

猫町フミヲの文房具日記

替芯ドーナツ。

先日より替芯の断面(以下「替芯ドーナツ」と呼ぶことにする)に夢中の猫町です。
今までなんでじっくり観察しなかったんだろう…
あれこれ考え始めるとなかなか楽しいですよね。

さて、先日の記事を読んだタマミさんから興味深いメールが(タマミさんについては過去の筆箱拝見記事をご覧ください。埼玉のクールな熱血漢です)。
なんとお手持ちの替芯ドーナツの写真を送って来てくださいました。
ありがとうございます。

その写真がこちら。
替芯ドーナツ。_f0220714_20132111.jpg

1段目(以下すべて左から)シグノRT1 0.28、0.38、0.5
2段目シグノRT 0.38、0.5/シグノノック0.7、1.0
3段目キャップ式シグノ極細(芯が短いほう)0.28、0.38、0.5/ノーマル(芯が長いほう)0.5、0.7、1.0
4段目サラサ0.3、0.4、0.5、0.7、1.0

ちなみにこの写真はボール径の大きさでドーナツが縦に揃うように並べてあるとのこと。
細かいお気遣いに感謝。
おかげでとても分かりやすく、知りたいことが一目瞭然。

まずは1段目のシグノRT1の替芯ドーナツですが、0.28のドーナツにびっくり。
これはかなりぶっといドーナツ(=芯の内径の小ささ)。
インク量の少なさが想像できますよね。
でもその分ボール径が小さいわけですから、筆記距離はある程度確保されているはず。

続いて2段目はシグノRT1以前のノック式シグノの替芯ドーナツ。
0.5以上は同じような感じなんですね。
0.7や1.0のインクがずんずん減っていくのも納得。

続いて3段目はキャップ式シグノの替芯ドーナツ。
0.28のドーナツにはシグノRT1同様工夫がこらされているものの、0.38のドーナツは0.5以上のボール径のドーナツと同じ。
これはかなりお得ですよね。
ボール径が極細なのに0.5以上のものとインク量が同じなんですから。

キャップ式シグノの替芯は本体によって長いものと短いものがあり、0.5は両方あるのですが、インク量だけで考えると長い替芯のほうがお得ということになります(UMR-1-05よりUMR-5のほうが長くて安いので)。
が、極細シリーズとそれ以外とではインクが違うと聞いたことがあり、価格の差はおそらくインクの質の差のはず(たぶん)。

そして最後はサラサの替芯ドーナツ。
ははあん。
サラサも結構男前ですよね。
ボール径に関係なくドーナツの大きさは一緒…かと思いきや、タマミさんからメール。
タマミさんによると、「0.3と0.4は3ミリで、それ以外は4ミリでした」とのこと(ドーナツの中の輪のサイズ)。
タマミさん細かいところまでありがとう!

さて、さらにタマミさんからはPILOTのHI-TEC-Cのドーナツについての報告も。
何といってもタマミさんはHI-TECマスターですから。

タマミさんによると、ドーナツは「0.25だけ厚みがあり、ほかは同じ」とのこと。
キャップ式シグノ方式かあ。
これも0.3がお得な感じになっているんですね。

というか!
そんなにいっぱいインクが入っているから使い切る前にペン先がダメになるのでは?

と、タマミさんのメールを見ると、「インクの量とニードルの強度のバランスが悪いのも、人をイラつかせてしまう一因?」と小生の思いと同じことが書いてある…
HI-TECマスターが言うからきっとそうだ…

うむ。
そう考えると、替芯ドーナツは単にインクが多い少ない、得だ損だの問題ではないということですよね。

もちろん筆記距離から逆算してドーナツの大きさを調整しているということはあると思うのですが、それと同時に、その筆記距離にペン先が耐えられるかどうかということも真剣に検討しているはずだと思うのです。
シグノにしてもHI-TEC-Cにしても、超極細の0.28や0.25だけドーナツが分厚くなっているのは、それだけ超極細のチップに負担がかかるからではないかと考えられそうです。

やはりユーザーはペンを最後まで使いたいわけですから、インクがまだ残っているのにペン先が先に力尽きては「なんだこのペン!まだこんなにインクがあるのに!」となってしまいます。
そのあたりをうまくドーナツで調整しているということもあるのではないかと思います。

と、ここからが長くなってしまったので、いったん記事を終えます(続く)。
Commented by めっちゃん at 2015-09-26 01:56 x
文房具を深くまで探求するこちらのブログは興味深く見つけた瞬間うれしくなりました。

昔、筆記距離が載っているページを見て思ったのが、
「なぜボール径が小さくなるほど距離が短いのか?」
と思い、替え芯の内径など考えたことがありませんでした。(単純にボールが小さいほど長く書けると思っていた。)

なるほど、替え芯の内径を小さくしてボールに負担をかけないようにしていたんですね!
ボールが小さくなればインクの量が少なくて少し不満ですが、製造してるほうの思惑が理解できました。
Commented by mukei_font at 2015-12-26 19:32
>めっちゃんさん
懐かしの替芯ドーナツですね。
自分も偶然発見したことだったので、興奮したことを思い出します。
ボール径が小さいとペン先への負担もかなり大きいと思うので、少し物足りないくらいがちょうどいいインク量なのかもしれないと考えています。
by mukei_font | 2014-06-24 21:49 | 替芯 | Comments(2)

by 猫町フミヲ@無罫フォント
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