猫町と中学生52(魅せたくて、魅せられなくて)。
2018年 01月 07日
「昔家庭教師の先生が使ってたクロスの多機能(ボールペン)がマジかっこよくて同じの探してるんすけどないんすよねえ、マジ欲しいっす」
むう。
そんなことがあったのか。
クロスの多機能ね。
ふうん。
そして思ったのです。
今の猫町には中学生を魅了する力はない、と。
こんなに文房具が好きであれこれ持っているのに、猫町の使っている文房具に彼らの心をとらえられそうなものは一つもありません。
残念なことですが真実です。
何しろ猫町が主に勉強の場で使っているのは三菱やトンボの鉛筆とぺんてるやPLUSの消しゴムとダイソーの無罫ノートですから。
時々使うボールペンもどこにでもあるものたちで、舶来物の高級筆記具なんてまず使いません。
ましてや万年筆なんて使うはずもありません。
これじゃあ魅せられないな…
かわいいものが大好きな女子にもかっこいいものが好きな男子にもアピールできないのです。
文房具にこだわりすぎて一周回ってそのへんのオッチャンが使うようなチョイスになってしまった猫町…
自分にとっては最高のメンツとはいえ魅せられないのはなんだか悔しい。
なんて無力なんだ…
それもこれも中学生たちの文房具に対する閾値がまだ高すぎるのがいけません。
文房具に興味がある子も中にはいるのですが、まだまだよほど珍しい物とかかっこいい物しか特別なものと認識できないのです。
要は違いが分からないのです。
例えばここに猫町と同じくらいの閾値を持つ中学生がいるとしましょう。
その中学生はおそらく猫町の使う一見平凡に見えるが実はカスタマイズされた筆記具たちに気づくことでしょう。
(あれ?軸はジェットストリームなのにどう見てもインクがゲルインクだぞ?)
(そもそも青色のインクが入っている軸のはずが黒インク?)
(ジュースのペン先がジュースアップになってる!?)
(いや待てそんなことよりあのデルデの中に立っているのは今はなきハイブリッドテクニカではないか…!)
などなど数多くの細かい発見と興奮があるに違いありません。
そして恐る恐る猫町先生にそれを指摘すると、猫町先生は我を忘れて語り始め、たちまちボールペンを分解し…
いや、駄目だ駄目だ。
それじゃあ勉強にならない。
クロスの多機能でおしゃれに勉強を教えるどこかの素敵な家庭教師に軽く嫉妬しながら、猫町は今日も我が道を突き進むことにします。
ホビー部門(文房具)に応募します
一体何人の中学生を相手にしているんだ・・・
いろんな子の文房具が見れるので楽しそうですが、人に教えるのは大変ですよね・・・
そして、驚きと同時に違和感もありました。
高価な物を持つのもひとつのステータスではあるけれど、何か違うというか…。
普段使いの物も見方を変えればこんなにも素晴らしいということをぜひ猫町さんから教えている中学生たちへ伝えてあげて欲しいと思います。
実は男子率が8割を超えておりまして、おかげですっかり言葉遣いが乱暴になってしまった猫町です(目線を合わせて分かりやすく説明しているうちに雑な言葉に)。
しかし男子といってもいろいろで、文房具に対する態度も当然一人一人違っておもしろいです。
中高生が高価な文房具に惹かれる気持ちはとてもよく分かります。
お小遣いをためて買って大事に使っている人も多いでしょうし、そのこと自体をとやかく言うつもりはありません。
が、それを雑に扱っていたり、一つ一つの文房具を軽く考えている態度には正直がっかりすることもあります。
まあそれもこれも人それぞれなので、自分は自分がこれだなと思ったものを機嫌良く使っていこうと思います。