コクヨ・キャンパスルーズリーフ「しっかり」タイプ。
2010年 05月 27日
どうしてもお金に限りがあるので、ちょっと試したいだけのものはあきらめてしまう。
もしくは店頭でちょこっと試してそれだけで満足してしまう。
筆記具などはそれの最たるものだ。
が、店頭でちょこっと試すわけにもいかないものがある。
紙製品だ。
以前働いていた店ではたいていの紙製品をサンプルとして試せるように開放していたし、新しく出たノートに何かを書いてサンプルを作るのが私の仕事だったので、ありとあらゆる紙製品を体感することができたが、今度の店は(というかたいていの店は)そんなことはできない。
メーカーからサンプルをもらうなどしない限りは、買って使ってみないと分からない。
書きごこちなんて一番重要なところなのに、それを買う前に試せないなんて考えてみるとかなりむちゃくちゃだ。
そんな紙製品だが、偶然使う機会に恵まれた。
いわゆる社内使用の電話連絡帳にその紙は使われていた。
コクヨのキャンパスルーズリーフ「しっかり」タイプがそれだ。
キャンパスルーズリーフが新しくなったのは知っていたし、「さらさら」タイプと「しっかり」タイプがあることも知っていた(ちなみに「さらさら」は従来のキャンパスルーズリーフと同じものでネーミングやパッケージが変わっただけ、「しっかり」は新たに開発されたルーズリーフ)。
コクヨの新製品説明会に行って2種類の紙を試させてもらったりもした。
が、あんな場でちょこっと字を書いたり、ぐるぐる線を書いたりしただけで書きごこちの差など分かるはずもないのだ。
確かに違いがあるとは思ったが、無理矢理自分に言い聞かせているようなところがあったのは否定できない。
今回この「キャンパスルーズリーフ「しっかり」タイプ」を取り上げようと思ったのは、それが他と比べて圧倒的に書きごこちがよいものであることを文字通り「発見」したからである。
先ほど「社内使用の電話連絡帳」と書いたが、実はこの連絡帳は3人の上司用に各1冊ずつあり、A氏用、B氏用、C氏用の中でB氏用のものだけが素晴らしく書きごこちがよいことにあるとき気づいたのだ。
最初は気のせいかと思ったが、ふと思い出した。
B氏用の連絡帳にだけ、「キャンパスルーズリーフ「しっかり」タイプ」が使われていることを。
先入観なしに使う中で、書きごこちのよさにわれに返るなんてなんて幸せな体験だろうと思う。
でも明らかにそれは違った。
適度にくっと引っかかるペン先。
エンジン全開のジェットストリーム0.5さえすべってしまわない、確かな安定した書きごこち。
書き上げた文字も美しく、(はっはあん…)と思わずうなってしまうようなここちよさ。
あっぱれ。
なお、このルーズリーフに関しては、全国ルーズリーフ選挙マニフェスト体感キャンペーンなるものも行っているようで、コクヨもずいぶん楽しいことを考えるものだ。
他メーカーが「さらさら」を追究する中で、あえて「しっかり」の書きごこちにこだわるなんておもしろい。
が、それより何より、目に見えない、言葉にもなりにくい、非常に感覚的なものである「ここち」に注目しているあたりが、文具マニアとしては嬉しいのだった。
さすが「ひらめき・はかどり・ここちよさ」のコクヨであることだよ。