猫町フミヲ、文具王に会う。
2011年 08月 26日
レジ打ちしたり、売り場を案内したり、問い合わせに走り回ったり。
すると社長が来て言うのだった。
「今からサンスターの展示会行って来たらいいわ」
サンスターの展示会ならちょうど同僚が行っている最中だった。
「今、@@さんが行ってますよ」
「猫さんと入れ替わりで@@さんが帰ってくる手はずにした。文具王がいてる。会って来たらいいわ」
!
「えええええあの文具王ですか」
「16時半までやから」
「本当にいるんですか」
「さっき会って来たから」
「こうしちゃおれん!」
猛然とエプロンを脱ぎ、休憩室の机の上にあった文具王のムックをつかみ、「サインサイン!」と口走りながらカウンタに戻り、「ペンペン!油性ペン!」と騒ぎ、わちゃわちゃと会場に向かった。
会場で受付の人に文具王について聞くと、なるほど本当に文具王がいるではないか。
ザコの小生は受付の時点で名刺を切らしており、文具王に渡す名刺などないのだがそんなことはどうでもよかった。
やったーーー
文具王に会えたーーー
生文具王ーーーーー
本物ーーーーー
いきなりキャッキャとサインをねだり、ミーハー丸出しの小生だったが、しだいに文房具の話へ。
何をどの順番で話したか忘れてしまったが、ジェットストリームの話もしたし、ツイストリングノートの話もした。
MDノートの話もしたし、ニーモシネの話もした。
LAMYのサファリの話もしたし、モレスキンの話もした。
PILOTのHI-TEC-Cの話もしたし、ぺんてるのハイブリッドテクニカの話もした。
楽しかった…
初対面なのにずっと前からの知り合いみたいにきゃっきゃきゃっきゃもり上がった(小生だけだったかもしれんが)。
1時間半近くほぼずっとしゃべっていた。
16時半までという制限がなかったらはてしなくしゃべっていた気がする。
例えば三菱やPILOTの展示会のときに開発担当者からしか聞けないような濃い話が、文具王の中からはこんこんとわき出てくる。
何を聞いても答えが返ってくることと、それが経験に基づいた生きたコメントなのが楽しくてしかたがなかった。
楽しかったなあ…
会場から職場までどう戻ったのかもよく分からない感じでふわふわしていた。
もしかしてサンスターの人に迷惑をかけたかもしれないし、帰った後で塩をまかれていたかもしれないが、それでもいいと思った。
いい経験をした。
これは文具王に会ったらハンコを押してもらえるというポイントカード。
ポイントがたまったら何かがもらえるらしいが、もうお会いすることなどないのではないかと思うとちょっとさみしい。
東京は遠いからなあ。

でもまあ普段のテンションで、熱く文房具について語れたのはよかった。
いい年をしてその日暮らしで、あと何年こんなふうにしていられるか毎日迷ってばかりの小生だが、少なくとも今日だけは今までの自分の生き方は間違っていなかったと思えた気がする。
「いつか本当にお会いしてあれこれお話ししてみたいです」と書いたのは今年の3月だが(日経BP・そこまでやるか!文具王・高畑正幸の最強アイテム完全批評・¥1429(税抜)。参照)、まさか今年中に夢がかなってしまうとは…
これでもう死ぬまでに会って話したいのは大槻ケンヂと天皇陛下だけになってしまった。