壊れたペンの行方、あるいは続・パンドラのなんとか。
2013年 01月 26日
ほとんどもう満月ですね。
さて、「壊れてしまって使えなくなったペンをどのように保管、管理されていますか」というメールを読者の方からいただき、前々から書こう書こうと思っていたある「箱」について今夜は書いてみたいと思います。
以前、替芯グッズのつまった夢の箱について書いたことがありますが、いわばその続篇。
あのナイスボックスは直後にはじけてしまい、実はこんな箱に移行しておりました。
ドオオオン(車田正美風効果音)。
お菓子の箱ですが、なかなか機能的なのであります。

まずふたを開けるとこちら。
ここには実験用の替芯グッズがどっさり。
芯だけでなく、ノブやグリップ、バネなどが小分けされています。
もしかして役に立つチャンスなど巡ってこないのかもしれませんが、どれもこれも思い出深い仲間たち。
捨てることなどできません。

実はこの箱、こんな風に3段になっておりまして…

2段目はこちら(2段目だけ取り外せます)。
一部1段目に入りきらなかった替芯グッズもありますが、基本的にここが壊れたペンの行きつく場所。
自分自身で壊してしまったもの、お客さんにいらないからあげると言われたもの、どうしても替芯を見つけられなかった名もないペン(おそらく100均もの)…
小生に改造の腕があれば、第二第三の人生がペンにもあるのかもしれないのですが、そうもいかないので、いつかどこかが何かの役に立つかもしれない、という思いと、何も役に立たなくてもただそこにいてほしい、という思いの両方からここに横たえています。

そして3段目はこちら。
こちらには現役ばりばりの替芯たち。
芯に問題があるわけではなく、単に出会いがないだけの人たち。
こんな箱に押し込めておいて出会いもへちまもないわけですが、今後は猫町文具店(仮)で活用していきたいと思っております。

文房具は実用品ですので、壊れたら捨てられる運命にあるとは思います。
もちろん自分自身、捨ててしまう場合もないわけではありません。
が、深く愛したものについては、いかにそれが安いものであっても、責任を持って愛し抜きたいと思っています。
ものとして美しいわけでもない、役に立つわけでもない、そういう無機物ではありますが、確実に自分自身の世界を構成する重要なメンバーの一人として。
時々箱を開け、懐かしい気持ちで手に取るくらいしかできないけれど。

LAMYの件から文房具の裏にある物語のようなものをより意識するようになりました。
>確実に自分自身の世界を構成する重要なメンバーの一人として。
まさにこういうことです。
バネ1つ取ってもそれに詰まってる時間や物語は知っている人にしか分からない大切な宝物ですよね。
時期が時期なだけにジーンとくる記事でした。
ありがとうございます。
こちらこそ、小さなものを見つめる良い機会になりました。
単なる道具ではなく、はたまた距離感のある鑑賞物でもない、適度に身近で頼もしい相棒としてこれからも文房具と仲良くしたいと思います。