ご質問にお答えします(先日の続き・ボールペン篇)。
2014年 08月 24日
これまでの記事はこちら(カテゴリがばらばらなので下記にまとめておきます)。
ご質問にお答えします(シャープペンについて)。
ご質問にお答えします(ボールペンについて)。
ご質問にお答えします(先日の続き・シャープペン篇)。
質問者さんにボールペンについてお聞きすると、使っているのはジェットストリームの黒と赤と青で、だんだんかすれてくるところが不満とか。
正直もう少し情報が欲しいところですが、これが店頭であれば以下のようなことをお聞きすると思います。
・使っているのは単色ボールペンですか、多色ボールペンですか
・いくらのボール径のものをお使いですか
・だんだんかすれてくるというのは芯にまだまだインクが残っているのにということですか
・それはジェットストリーム以外のボールペンでもそうなりますか
まず多色ボールペンをお使いであれば、単色ボールペンをおすすめしてみるかもしれません。
これは質問者さんのペンの持ち方などを見てみないと分かりませんが、あるいは多色ボールペンの芯の出る角度と質問者さんのペンの持ち方との相性が悪く、ペン先に負担をかけているかもしれないからです。
多色ボールペンは芯が斜めに出てくる分、単色ボールペンに比べてペン先に力を加えるとしなる感覚がすると思います。
残念ながら専門家ではないので想像の域を出ませんが、このあたりの構造上の問題によるトラブルもあるかもしれません。
店頭であれば実際にペンを握って書いていただき、筆記角度などを見たいところです。
次にボール径ですが、0.38か0.5か0.7か1.0によってもまた話は違ってくると思います。
一般的にボール径が小さくなるほど何らかのトラブルは多くなると思うので、もし極細をお使いであれば0.7以上をおすすめするかもしれません。
さて、「インクのかすれ」がもし芯にインクがたっぷりある状態で起きている場合、考えられる原因の一つはペン先から空気が入ったのではないかということです。
芯の中に空気が入ると、ボールからインクがゆっくりと離れていき、いずれインクが逆流します。
インクが完全に逆流すると見た目にも非常に分かりやすいのですが、逆流しないまでも空気が混入した時点でボールからインクが離れていくのでかすれて書けなくなります。
芯に空気が入る状況というのは、ペン先を紙に押し付けて書いている状態で、ペン先が上を向いている場合に起こります。
接客の経験上、空気が入ったのでは?とお客さんに上向き筆記の可能性を指摘するとまず否定されます。
そんな使い方はしていないというのです。
が、上向き筆記というのは何も寝転んで真上を向いてペンを走らせる場合のみを言うのではありません。
例えば壁にかけられたカレンダーに書き込む時も上向き筆記になっていることが多いですし、クリップボードにはさんだ書類に何かを記入する時などにも知らず知らずのうちにペン先が上を向いているものです。
もし質問者さんが電車の中のような不安定な場所でも勉強されていたりして、そこでボールペンを使われているのであれば、その最中にペン先から空気が入ることはあるかもしれません。
全然そんなことがない場合は読み流してくださいね。
さて、最後はこのようなトラブルがジェットストリーム以外でもあるかということですが、それはこれから試すといった段階かもしれませんね。
科学的にはどういうことになっているのか分からないのですが、文房具には「相性」というのがあり、自分はこのペンはダメだけど、このペンはいけるというのがあったりします。
質問者さんがジェットストリーム以外のペンに切り替えていくことでトラブルを回避できればいいなと思います。
が、これまで述べてきたことは割とどのボールペンにもあてはまる一般的なことでもあります。
多色ボールペンよりは単色ボールペンのほうがペン先が安定して書きやすいですし、ボール径は小さすぎないもののほうがトラブルは少ないです。
そして、ボールペンの理屈は同じなので、上向き筆記をすればどんなボールペンも書けなくなります(例外的に加圧式ボールペンがありますが)。
これらのことを念頭において、次はゲルインクボールペンを使ってみようということであれば、店頭にたくさんあるので試してみるといいと思います。
単色ボールペンを3本も持ち歩きたくないのであれば多色ボールペンにする必要がありますが、ゲルの多色ボールペンというのは既製品としてはあまり選択肢がないので、自分自身で好きな芯と軸を選んで作るカスタマイズボールペンという選択肢になるでしょう。
PILOTのコレト、三菱のスタイルフィット、ZEBRAのプレフィール、ぺんてるのスリッチーズ、アイプラスから気に入ったものを選ぶといいと思います。
今まであまりゲルインクボールペンを使ったことがないということのようなので、基本的な注意点としてペン先の太さと乾きの問題をあげておきましょう。
ゲルインクボールペンは油性ボールペンとインクの種類もインクの出方も違うので、油性ボールペンのボール径を目安にゲルインクボールペンを選んでしまうと、いつもよりも太い筆記線になってしまうと思います。
油性の0.7をお使いであればゲルの0.5くらいに考えていればいいと思います。
また、乾きの問題としては、ジェットストリームが特に速乾をうたった油性ボールペンであることから、ゲルの乾きの遅さに少し戸惑われるかもしれません。
乾きが遅いといっても恐れるほどではありませんが、書いてすぐこするとジェットストリームのようにはいかないと思います。
書いた字をすぐにこすってしまうのは例えば左利きである場合、あるいは右利きでもペンの持ち方が悪い場合などですが、これも質問者さんの書き癖を見てみないと分かりません。
最後に、どうしてもボールペンのトラブルが続くようであれば、もしかすると原因は下敷にあるかもしれませんよ。
おそらく学生さんなので下敷を敷いてノートを書いておられると思いますが、ボールペンは少し軟らかいものの上で書くのが機嫌がいいのです。
ソフト下敷きというものもあるので、どうしてもボールペンで苦労する場合は御一考ください。
長々と書いてしまいました。
小生から言えるのはこのようなことだけです。
なお、シャープ芯に関しては9月以降にお返事いたしますが、あまり期待しないでください。
山ア谷東
今度イオンの文房具売り場に行ってみたいと思います。