Dr.グリップの真実。
2016年 04月 17日
全国の替芯好きの同胞たちよ。
今から書く一連の記事は、猫町の最後の替芯講義となるであろう。
などとかっこいい文句を思いついたものの、使う時もなさそうなので書いてみました。
いや、でももう替芯に関してこんなにがっちり書くのは最後かもしれません。
ということで、今から替芯関係の記事を3つ続けます。
3つの記事が完結するまでコメントはお控えください。
よろしくお願いいたします。
まず始めに書いておきたいのはDr.グリップに関する真実です。
これはそろそろ記事にしようと思っていたところに、はるママさんとニャル子さんのお二方からご質問をいただき、順序的にここから話を始めるべきだと判断しました。
さて、「真実」といっても猫町だけが知らなかったのかもしれないのですが、あんなに替芯に燃えていた文具店員時代に知らなかったのが信じられないというか、悔やんでも悔やみきれない真実ではあります。
このことに気づいたのは今から3年前でしたが(たまみさんを見送った坂越駅の改札前の立ち話…おぼえておられるかしらん)、これまで記事にしなかったのは、この真実を知らなかったショックをどう表現したものかと思い悩んでいたからでした(思い悩みつつ忘れていたというのが正解)。
Dr.グリップの真実。
すなわちそれは、BRFN芯が入っているDr.グリップにもBSRF芯が入るという真実でした。
あれ?
有名?
そうかもしれませんね。
先日のニャル子さんのコメントの中にもあったし、そもそもPILOTの古いカタログに書いてあったりするからなー
でも知らなかったんですよね。
文具店員時代、Dr.グリップの替芯の接客について記事にしたことがあるのですが、今読むとトホホです(Dr.グリップの替芯ください。参照)。
「Dr.グリップの替芯ください」と言われて、それが多色のDr.グリップの替芯か単色のDr.グリップの替芯か、あるいは油性かゲルか、油性ならキャップ式かノック式か、ノック式でも昔のノック式か最近のノック式かで芯が分かれているから難しい、みたいな記事だったと思うのですが、この最後のあたりが間違っていたということです。
写真を見てみましょう。
まずこちらがDr.グリップ(ピュアホワイト)。
で、こちらが替芯たち。
上が今のDr.グリップに入っているBRFN芯、下が昔のDr.グリップ(ノック式)に入っていたBSRF芯。
こんなに長さも太さも違うのに、ちゃんと両方とも今のDr.グリップの中に入るし、ノックできるんですよね。
知らずに文具店員してました。
トホホ…
100回言ってもまだ足りないくらいにトホホです。
ちなみにこれに気づいたのは2005年のPILOTのカタログを見ていた時でした。
当時は普通のDr.グリップとDr.グリップGスペックが同時に売られていた頃で、その頃のDr.グリップの中にBRFN芯も入るという記述があったんです。
なので、ごくごく初期のノック式Dr.グリップの中がどうなっていたかまでは分かりません。
Gスペックが登場して、BRFN芯が登場したあたりから両方使える軸になったのか、大昔から実はBRFN芯も入る構造の軸だったのか…
これに気づいていればDr.グリップの替芯の接客ももう少し楽だったかもしれません。
大昔の軸にBRFN芯は少々不安ですが、とりあえずBSRF芯ならどっちもいけたということですよね。
あんなにお客さんを質問攻めにしてしまったかつての猫町…
PILOTの人も教えてくれたらよかったのに…
さて、これでどういうことになるかというと、まず、アクロインキのBRFN芯が嫌いな人は普通の油性インクのBSRF芯に戻せます。
値段もBSRF芯のほうが安いです。
BSRF芯だとペン先のバリエーションも0.5、0.7、1.0、1.2、1.6と豊富ですし、0.5と0.7は黒、赤、青、緑の4色展開(それ以外は3色展開)。
極細の緑インクの単色ボールペン(太軸)、なんていう夢のような組み合せもOK。
さらに、BSRF芯は他社のいろんな芯と互換性があります。
ZEBRA派の方はK-0.7、三菱派の方はS-7L、油性顔料にこだわりたい方はぺんてるの単色ローリーの芯BPS7なども使えます。
プラチナの低粘度油性インクSBSP-80Aもいけますね。
これらは入れるだけで普通にノックできます。
さらにテープを巻いてバネ止めの突起をつくるなどすれば、三菱のスタイルフィット芯やZEBRAのプレフィール芯もすべて候補にあがってくるわけですよね。
ここまで読まれた方の中には、「そんなにDr.グリップが好きなら、最初からDr.グリップ4+1にBSRF系の芯を入れたらいいのに」と思った方もおられるかもしれません。
確かにDr.グリップ4+1に上記の替芯というのもいいかもしれません。
が、あえてDr.グリップの単色ボールペンにこだわる利点が2つ。
1つめは、ツッコミ系のボールペンよりもバネ止め系のボールペンのほうがいろいろ簡単だという点。
ツッコミ系のボールペンというのは、多色・多機能ボールペンの芯を入れる時をイメージしていただければと思うのですが、芯を突っ込んで入れるタイプのボールペンのことです。
一方、バネ止め系のボールペンというのは、先端にバネが仕込まれているのタイプのボールペンのことです。
このタイプの替芯には、バネを止めるための突起があります。
で、これら両者なんですが、バネ止め系の軸のほうが懐が深いんですよね。
バネが突起に引っかかればいいというシンプルな構造が素晴らしいのです。
分かりやすくて、初心者向けなんです。
口金を開けると同時にバネがこぼれ落ちたりしてちょっと油断ならないのが玉にきずではありますが。
それに比べると、多色・多機能ボールペンのようなツッコミ系の軸は難しい。
バネ止め系の軸では機嫌良く互換性があった芯も、いざ突っ込もうとするとすかすかだったりすることがありますよね。
無理やり突っ込み続けると軸を壊すことも…(わ た し で す)
ということで、単色のDr.グリップにこだわるメリットがあるわけです。
もう1つの利点は書き味の問題。
これは自分だけかもしれませんが、多色・多機能ボールペンはどうしても芯が斜めに出てくる関係で、書き味的にしっくりきません。
やはり芯が1本だけずどんと入っている単色ボールペンに勝るものなし。
ということで、はるママさんからのご質問に続きます。
こちらもあわせてお読みください。
太軸のゲルインクボールペンを求めて。
Dr.グリップを低コストで1.0の低粘度油性ボールペンにする。
今から書く一連の記事は、猫町の最後の替芯講義となるであろう。
などとかっこいい文句を思いついたものの、使う時もなさそうなので書いてみました。
いや、でももう替芯に関してこんなにがっちり書くのは最後かもしれません。
ということで、今から替芯関係の記事を3つ続けます。
3つの記事が完結するまでコメントはお控えください。
よろしくお願いいたします。
まず始めに書いておきたいのはDr.グリップに関する真実です。
これはそろそろ記事にしようと思っていたところに、はるママさんとニャル子さんのお二方からご質問をいただき、順序的にここから話を始めるべきだと判断しました。
さて、「真実」といっても猫町だけが知らなかったのかもしれないのですが、あんなに替芯に燃えていた文具店員時代に知らなかったのが信じられないというか、悔やんでも悔やみきれない真実ではあります。
このことに気づいたのは今から3年前でしたが(たまみさんを見送った坂越駅の改札前の立ち話…おぼえておられるかしらん)、これまで記事にしなかったのは、この真実を知らなかったショックをどう表現したものかと思い悩んでいたからでした(思い悩みつつ忘れていたというのが正解)。
Dr.グリップの真実。
すなわちそれは、BRFN芯が入っているDr.グリップにもBSRF芯が入るという真実でした。
あれ?
有名?
そうかもしれませんね。
先日のニャル子さんのコメントの中にもあったし、そもそもPILOTの古いカタログに書いてあったりするからなー
でも知らなかったんですよね。
文具店員時代、Dr.グリップの替芯の接客について記事にしたことがあるのですが、今読むとトホホです(Dr.グリップの替芯ください。参照)。
「Dr.グリップの替芯ください」と言われて、それが多色のDr.グリップの替芯か単色のDr.グリップの替芯か、あるいは油性かゲルか、油性ならキャップ式かノック式か、ノック式でも昔のノック式か最近のノック式かで芯が分かれているから難しい、みたいな記事だったと思うのですが、この最後のあたりが間違っていたということです。
写真を見てみましょう。
まずこちらがDr.グリップ(ピュアホワイト)。
で、こちらが替芯たち。
上が今のDr.グリップに入っているBRFN芯、下が昔のDr.グリップ(ノック式)に入っていたBSRF芯。
こんなに長さも太さも違うのに、ちゃんと両方とも今のDr.グリップの中に入るし、ノックできるんですよね。
知らずに文具店員してました。
トホホ…
100回言ってもまだ足りないくらいにトホホです。
ちなみにこれに気づいたのは2005年のPILOTのカタログを見ていた時でした。
当時は普通のDr.グリップとDr.グリップGスペックが同時に売られていた頃で、その頃のDr.グリップの中にBRFN芯も入るという記述があったんです。
なので、ごくごく初期のノック式Dr.グリップの中がどうなっていたかまでは分かりません。
Gスペックが登場して、BRFN芯が登場したあたりから両方使える軸になったのか、大昔から実はBRFN芯も入る構造の軸だったのか…
これに気づいていればDr.グリップの替芯の接客ももう少し楽だったかもしれません。
大昔の軸にBRFN芯は少々不安ですが、とりあえずBSRF芯ならどっちもいけたということですよね。
あんなにお客さんを質問攻めにしてしまったかつての猫町…
PILOTの人も教えてくれたらよかったのに…
さて、これでどういうことになるかというと、まず、アクロインキのBRFN芯が嫌いな人は普通の油性インクのBSRF芯に戻せます。
値段もBSRF芯のほうが安いです。
BSRF芯だとペン先のバリエーションも0.5、0.7、1.0、1.2、1.6と豊富ですし、0.5と0.7は黒、赤、青、緑の4色展開(それ以外は3色展開)。
極細の緑インクの単色ボールペン(太軸)、なんていう夢のような組み合せもOK。
さらに、BSRF芯は他社のいろんな芯と互換性があります。
ZEBRA派の方はK-0.7、三菱派の方はS-7L、油性顔料にこだわりたい方はぺんてるの単色ローリーの芯BPS7なども使えます。
プラチナの低粘度油性インクSBSP-80Aもいけますね。
これらは入れるだけで普通にノックできます。
さらにテープを巻いてバネ止めの突起をつくるなどすれば、三菱のスタイルフィット芯やZEBRAのプレフィール芯もすべて候補にあがってくるわけですよね。
ここまで読まれた方の中には、「そんなにDr.グリップが好きなら、最初からDr.グリップ4+1にBSRF系の芯を入れたらいいのに」と思った方もおられるかもしれません。
確かにDr.グリップ4+1に上記の替芯というのもいいかもしれません。
が、あえてDr.グリップの単色ボールペンにこだわる利点が2つ。
1つめは、ツッコミ系のボールペンよりもバネ止め系のボールペンのほうがいろいろ簡単だという点。
ツッコミ系のボールペンというのは、多色・多機能ボールペンの芯を入れる時をイメージしていただければと思うのですが、芯を突っ込んで入れるタイプのボールペンのことです。
一方、バネ止め系のボールペンというのは、先端にバネが仕込まれているのタイプのボールペンのことです。
このタイプの替芯には、バネを止めるための突起があります。
で、これら両者なんですが、バネ止め系の軸のほうが懐が深いんですよね。
バネが突起に引っかかればいいというシンプルな構造が素晴らしいのです。
分かりやすくて、初心者向けなんです。
口金を開けると同時にバネがこぼれ落ちたりしてちょっと油断ならないのが玉にきずではありますが。
それに比べると、多色・多機能ボールペンのようなツッコミ系の軸は難しい。
バネ止め系の軸では機嫌良く互換性があった芯も、いざ突っ込もうとするとすかすかだったりすることがありますよね。
無理やり突っ込み続けると軸を壊すことも…(わ た し で す)
ということで、単色のDr.グリップにこだわるメリットがあるわけです。
もう1つの利点は書き味の問題。
これは自分だけかもしれませんが、多色・多機能ボールペンはどうしても芯が斜めに出てくる関係で、書き味的にしっくりきません。
やはり芯が1本だけずどんと入っている単色ボールペンに勝るものなし。
ということで、はるママさんからのご質問に続きます。
こちらもあわせてお読みください。
太軸のゲルインクボールペンを求めて。
Dr.グリップを低コストで1.0の低粘度油性ボールペンにする。
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慎之介
at 2016-05-12 10:59
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知らなかったです(^_^;)
今年一番の有意義な情報です。
さっそく試してみます。
今年一番の有意義な情報です。
さっそく試してみます。
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ムギバタケ
at 2016-05-17 00:41
x
いつも楽しく拝見しておりますが、初めてコメントします、ムギバタケと申します。
私も知りませんでした。
他にも互換性がないかと思い、手元にあったクーペとS20で試してみたところ、クーペにはSXR-89(BSRFと長さがほぼ同じ)が入りました。
またS-20にはなぜかSXR-80(BTRFと長さがほぼ同じ)が入りました。
まだちょっと試しただけなのでこのまま使えるかわかりませんが、お気に入りの軸でジェットストリームのペンが2本も作れて大満足です。
(もちろん他社製の芯ですので自己責任で行いました)
有益な情報ありがとうございます。ボールペンの奥深さにちょっと感動です。
長々としたコメント失礼しました。
私も知りませんでした。
他にも互換性がないかと思い、手元にあったクーペとS20で試してみたところ、クーペにはSXR-89(BSRFと長さがほぼ同じ)が入りました。
またS-20にはなぜかSXR-80(BTRFと長さがほぼ同じ)が入りました。
まだちょっと試しただけなのでこのまま使えるかわかりませんが、お気に入りの軸でジェットストリームのペンが2本も作れて大満足です。
(もちろん他社製の芯ですので自己責任で行いました)
有益な情報ありがとうございます。ボールペンの奥深さにちょっと感動です。
長々としたコメント失礼しました。
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mukei_font at 2016-09-08 15:39
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mukei_font at 2016-09-08 15:43
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妃南
at 2017-06-25 21:30
x
ちょくちょく拝見させて頂いてはおりましたが、コメントするのは初めてです。妃南と申します。
「油性の太字(1.0や1.2 mm) + 青インクにあらずんばボールペンにあらずだ」
と思ってる私はずっとBRFN-30M-Lを使ってました。
筆記距離を考えれば別に高くはないのかもしれませんが、やはり1本300円という価格はどうしても高く感じますし、何か代わりがあればと思ってググっていたらココに辿り着きました。
オプトは青い1.2 mmのBPRF-8B-Lが使えて大好きなのですがグリップが硬めで長時間使うと指が痛いので、試しにドクターグリップにBSRF突っ込んでみたら本当に入ってビックリ(笑)
ドクターグリップでも同じ1.2 mmが使えるだなんて凄く有意義なことが知れて良かったです。ありがとうございます。
人を見た目で判断してはいけないように替芯も見た目で判断してはいけないのだと勉強になりましたw
「油性の太字(1.0や1.2 mm) + 青インクにあらずんばボールペンにあらずだ」
と思ってる私はずっとBRFN-30M-Lを使ってました。
筆記距離を考えれば別に高くはないのかもしれませんが、やはり1本300円という価格はどうしても高く感じますし、何か代わりがあればと思ってググっていたらココに辿り着きました。
オプトは青い1.2 mmのBPRF-8B-Lが使えて大好きなのですがグリップが硬めで長時間使うと指が痛いので、試しにドクターグリップにBSRF突っ込んでみたら本当に入ってビックリ(笑)
ドクターグリップでも同じ1.2 mmが使えるだなんて凄く有意義なことが知れて良かったです。ありがとうございます。
人を見た目で判断してはいけないように替芯も見た目で判断してはいけないのだと勉強になりましたw
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mukei_font at 2017-11-21 22:31
>妃南さん
はじめまして。
ようこそ無罫フォントへ。
この「発見」は自分でも結構驚きの「発見」でした。
現役時代に知っていればなあ…
しかし「油性の太字(1.0や1.2mm)+青インクにあらずんばボールペンにあらず」は素晴らしいこだわりですね。
こういうこだわりを聞くのが何より楽しいです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
はじめまして。
ようこそ無罫フォントへ。
この「発見」は自分でも結構驚きの「発見」でした。
現役時代に知っていればなあ…
しかし「油性の太字(1.0や1.2mm)+青インクにあらずんばボールペンにあらず」は素晴らしいこだわりですね。
こういうこだわりを聞くのが何より楽しいです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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はまちこ
at 2022-05-11 17:44
x
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K
at 2022-05-31 09:49
x
はまちこさんの書き込みを見ると、パイロットの他の高級ラインの軸でどれだけ互換性があるのか試したくなりますが、誰かやってないでしょうか?
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W168
at 2024-09-29 18:41
x
パイロットだったと思いますが、多機能ペンは書く色のノック部分を上に持って書くべきだという記事を読んだことがあります。そう、リフィルがしなってるのでなるべくペン先が寝ないように、です。確かに書き味は変わりますのでお試し下さい。
by mukei_font
| 2016-04-17 23:59
| 替芯
|
Comments(9)