暑さ寒さと文房具~消しゴム篇~
2017年 06月 11日
なぜならば、あたたかくなった瞬間に気づいた真実があったからです。
昨年の9月に消しゴムモニターをした話は何度か書いたと思います。
消しゴムモニターをした時の話(前篇)。
ひとつひとつの消しゴムの感想は「消しゴム」カテゴリをご覧いただくとして、最終的にこれらの中で王者に輝いたのはこちらのステッドラー・マルスプラスチックミニでした。
が、モニター終了後、実際に5つの消しゴムを使う中でもっとも自分を戸惑わせたのもこの消しゴムでした。
というのも、なんだかよく消えないのです。
なぜ?
モニターの時はあんなに優秀だったのに…
そのうち「なんだか消えない」どころの騒ぎではなく、まったく消えなくなってしまい、手にするのもやめてしまいました。
なんだか自分が消しゴムであることを忘れてしまったかのようなつれなさなのです。
ちょうど受験シーズンまっただ中で、その頃はむしろPLUSのAIR-INやW AIR-INスティックタイプを愛用していました。
マルスプラスチックミニは一瞬の夢だったのか?とまで思ったのです。
しかし、参加した消しゴムモニターでは「満足度が一番高かった消しゴム1種類を10個プレゼント」というのがあったので、マルスプラスチックミニは手元に新品が10個もあります。
どうするよこれ…
調査のやり方が悪かったのか?
消しゴムに対する感受性がまだまだなのか?
などという考えが一変したのはあたたかくなってからでした。
ふと、マルスプラスチックミニを使ってみると「消しゴム感」が戻っているのです。
そして日に日に調子がよくなり、あっという間に王者(といってもモニターメンバーの中だけの話ですが)の貫録を取り戻しました。
ははあ。
マルスプラスチックミニは寒さに弱いと見た。
真冬のマルスプラスチックミニはとにかく硬く、消すのに力がいり、その割によく消えませんでした。
なんだか紙上で空回りしてしまう感じで、「つれない」という表現そのものなのです(これが彼の言う「落とし穴」でした)。
暑さ寒さと文房具、というテーマについて考えた時、つい真夏に絶好調になる文房具に目が行きがちですが、真冬に絶不調になる文房具もあるのです。
その後、マルスプラスチックミニは気温の上昇とともに大活躍し、モニターのために使った1個目はごくごく小さいサイズになってしまいました。
まだ10個もある、というのがうれしく、ただし暑いうちに使うべきなんだと分かったのもうれしいことでした。
最初の個体がたまたまだったのかもしれませんが、消しゴムも暑さ寒さに影響されるというのはあると思っています。
寒さが苦手で、暑い時期に調子のいい魁聖(かいせい)というブラジル出身の力士がいるのですが、自分はマルスプラスチックミニは消しゴム界の魁聖だと思っています。
ボールペンも消しゴムもそうですけど、温度変化に左右されないものが開発されたらな~。