引退知らずのボールペン。
2017年 06月 15日
100円ボールペンに名前を貼るなどして使うことに対して批判的なコラムを読み、何か思うところがあったのでしょう。
その議論の是非はさておき、わが家にもそういうボールペンがちらほらいます。
何しろボールペンの軸に名前を貼る必要があった時代の人たちなので、相当前の人たちですが。
例えばこちら。
ZEBRAのタプリです。
書店員時代に使っていたものなので13年ほど前のものになりますが、芯も当時のまま現役で活躍中です。
ZEBRAのカタログなどに載っている年表によるとタプリは1999年に発売されていますが、書店員時代の猫町はジムノックに傾倒しており、タプリの存在に気づくのは少し遅れました。
その後、ジムノックと同じメーカーのZEBRAに芯の長いノック式ボールペンがあるという興奮に打ち震えながら購入したのがこの軸だったと思います。
この「タプリクリップになる前のタプリ」が非常に好きでして、ノックの感触がタプリクリップとは微妙に違うんですよ。
ガシャガシャしないというか、まるい感触でノックできる気がするのです。
軸のアップ。
汚いですよね。
こういうのが貧乏くさいと言われるゆえんでしょう。
ほめられたものではないですが、そんなことよりもよく見てください。
3という数字が見えるでしょうか。
これは印鑑を押した紙を切って貼って作った悪名高い「印鑑シール」なので写真はぎりぎりここまでしか写せませんでしたが、反対側には日付も書いてあるんですよ。
「何月何日に何本目の芯を使い始めました」という記録です。
先ほども述べたように書店員時代の猫町はジムノックを愛用しており、替芯であるK-0.7を箱買いし、それが減っていくことに喜びをかみしめるような人間でした。
それが、芯の長い(=インクの多い)タプリに出会い、ボールペンを2本使いするようになるとK-0.7の減りはぐっと遅くなってしまいました。
おもしろくない気持ちになりながらもじりじりと両者を使い続け、なんだかんだでタプリの替芯も3本目に突入していたんだな、とこのボールペンを手に取るたび、色あせたテープの中の紙切れの数字にうれしくなるのです。
古いものを扱う仕事をしていると、ときどき家具に「大正@年@月購入」などと墨で書かれていたりするのですが、そういうのを見つけた時の感覚に近いといったらいいでしょうか。
考えてみたらプリンタには「@年@月@日購入」と書いたマスキングテープを貼っているし、携帯電話にもメモ帳に「@年@月@日購入」と記録しています。
記録癖みたいなものがあるのかもしれません。
貧乏くさいと言われればそれまでですが。記録と記憶をべたりと背負いながら働き続けるタプリをとても頼もしく、誇らしく感じています。
私自身も持っていてすごく愛用していたのですが、引越後に紛失してしまいました…。(泣)
現在我が家にあるタプリは記事の画像と同じものではあるのですが、母が以前病院に勤めていたときのもので、製薬会社の人が配る販促文具…すなわち薬品名がプリントされているタプリでインク芯の日付が03年10月、今でもまだ書けます。(笑)
ライトブルーのタプリ軸ってすごく綺麗で確かシャーペンもあったと記憶していますが、それも同じ色を揃えていたぐらいにお気に入りでした。
今ではもったいなくて使えないです…。(汗)
タプリのことでこんなに熱いコメントを書き込んでくださる方がいるのがこの「無罫フォント」の素晴らしいところだと思っています。
だって普通の油性ボールペンですよ。
ちょっとばかり芯の長い。
うれしいなあ。
こういう反応。