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無罫フォント

猫町フミヲの文房具日記

今が一番楽しい時間~ボールペン篇~

今が一番楽しい時間シリーズの続きです。

文房具における「強烈なきらめきを瞬間的に放つ現象」というのは、消耗系の文房具にのみ訪れる幸福な時間だと思います。

たとえば同じように「今が一番楽しい」といっても、MDペーパーに万年筆を走らせている瞬間、みたいなのとは分けて考えたいです。
それは結構頻繁に訪れるきらめきのはず。

一つの文房具のヒストリーの中における一瞬、というところに価値を見いだしています。
この場合のヒストリーというのは短いものをさし、つまりは消耗品であることが前提なのです。

したがってゆっくりとでも消耗し、変容していく万年筆のペン先などについては言えるかもしれませんね。
今、この瞬間がいいんだ、と。
しかしそれは一瞬ではなく、かなり続くものではないかとも思います。

さて、より刹那的なものに目を向けてみましょう。
猫町にとっての強烈なきらめきを瞬間的に放つボールペンがこちら。
今が一番楽しい時間~ボールペン篇~_f0220714_09512399.jpg
猫町愛用の三菱のゲルインクボールペンの替芯UMR-83ですが、残りのインクがこれくらいになった時の書き味!
まさに牛一頭に対するカイノミのような貴重な貴重な一瞬!

使い始めから使い終わりまでずっとこの書き心地でいいのに、つゆだく仕様になんてしなくていいのに、と歌いながら踊り狂いたいくらい重要なことなのです。

過不足ないインクで極めてクリアな文字が書けること。
インク色が濃すぎず、見る者に圧を与えない品の良さ。

替芯といういかにも限りのある命の中で、この瞬間だけ強烈なきらめきを放つのです。
この一瞬が終わり近くに訪れることもまた感慨深く、また会おうね、と思いながら次の替芯を準備する心も弾むのでした。

by mukei_font | 2018-07-31 23:59 | 替芯 | Comments(0)

by 猫町フミヲ@無罫フォント
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