2回に渡ってオリジナルレター用品を購入した話を書きましたが、実はここからが本番です。
確かに自分の中にオリジナルレター用品を純粋に楽しみたいという気持ちがあるのは事実です。
作家さんの思いがそれぞれに込められたイラストやデザイン、選び抜かれた紙や印刷方法…
簡単には手に入らない貴重な感じも相まってそれらは非常に魅力的です。
しかしその一方で自分は紙と筆記具との相性を日々追究して生きている文房具好きでもあります。
こうしたオリジナルのレター用品というのは普段はあまりお目にかからないような珍しい紙などが使われているかもしれない、そしてそんな紙はどんな筆記具と相性がいいのだろう…
そんな野次馬的探究心が購入へと駆り立てた面も否定できません。
そしてこの探究心はレター用品を実際に使う際の原動力になります。
素敵だ素敵だと眺めているだけではなく、実際に使おうとするとどうしてもある種の勢いが必要です。
自分にとっての勢いはこの飽くなき文房具的探究心のようです。
というわけで、早速スリルを味わいながら使いました。
いったいこの紙にはどの筆記具が?
一発勝負、けっして失敗は許されない…
まさしくこれは「勝負」と言えました。
何しろポストカードならば1枚、便箋セットならば1組しかないのです。
紙に触れる。
今までの経験に照らし合わせながら失敗しそうな筆記具を思い浮かべ、リアルに悲劇を想像する。
できるだけ悲劇から遠いものを選ぶ…
オリジナル便箋にありがちなのはつるつるした紙です。
きれいな色を出すための印刷との兼ね合いでしょうか。
これはとてもじゃないがゲルインクボールペンでは書けないぞ、書けたとしてもこすりまくって大変なことになるぞ、と思えば油性ボールペンのジェットストリームを使います。
ポストカードはつるつる具合を見て、三菱のPINの水性などを選びます。
つるつるの紙だから油性のマーカーで書けばいいかというとそうでもないのが難しいところです。
にじんだり、線がぶわっと太くなってしまったりすると焦りますしね。
ポストカードに関してはじかに切手を貼って送るか封筒に入れて送るかによっても筆記具が異なってくるように思います。
前者は配達の最中のあれこれを考慮してより無難な筆記具を選ぶ必要があるし、後者だと意外と冒険できるかもしれません。
何にせよその見極めを一発でやらないといけないスリルがとても楽しいのです。
こうした見極めの難しさはレター用品全般に言えることです。
あまり実験ができず、データも少なく、先達の教えに従ってもなお失敗することがあるといういわば博打のような世界…
それが極まったのがまさにオリジナルレター用品の世界であり、作品の美しさとは別にその不確実性に魅了されてしまうのです。