鉛筆削りたちが何かを話しています。
「やあ。新顔やん」
「はじめまして、ユニパレット先輩。日本海側から来ました」
「ああ、あんたが米所から来たという…」
「BABY-Kです。デリンジャーと呼んでください」
「デ…?」
「あ、旦那さんの愛読書『レース鳩777(アラシ)』の…」
「分かった!あのデリンジャーね…マニアックやなあもう」
「そういえば確か先輩に似た名前の鳩も…何かこう集団で…」
「ちょっと待って。それバレット何号とかいう奴ちゃうん?」
「そうそう、それです」
「雑魚やん。雑魚キャラやん。それにうちらの一人はおたくに殺されましたやん」
「え…そうでしたっけ…」
「てゆうかこのくだり分かる人たぶん一人くらいしかおらんからやめようや」
「はい」
「それにしても小さいねえ。俺も小ささには自信があったけど」
「ヱヘへ」
「ちょっと並んでみよう」
「ドローンでも撮影してみよう」
「まあいろいろあって消耗するやろけど、働くだけ働いたらまた帰ってきたらええ」
「先輩はこれからRE(Retired Erasers=引退した消しゴムの略)さんたちとのんびり?」
「そうや」
「くれぐれも密にならないようにしてくださいね。私たち、彼らとくっつきすぎると…」
「大丈夫や。ソーシャルディスタンスはまかせろ」