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無罫フォント

猫町フミヲの文房具日記

油性の青ボールペンの魅力を考える会・その3(調査対象2)。

前回の続きです。

久しぶりに油性の青ボールペンの魅力を再確認し、青ボールペンの何が自分を夢中にさせているのかを知りたくなった猫町。

ブレンだけに焦点を当てた場合は前回述べたようにブレンとスラリの比較だけでも良い気がします。

しかし前回書いたように、そもそもらくがきちょうに青ボールペンで字を書くことが今の盛り上がりにつながっているのであれば、それは別にブレンやエマルジョンインクでなくてもいいように思えてきます。

インクが普通に出る油性の青ボールペンなら何でもいいのかもしれない。
例えばPILOTのアクロボールなどはどうだろう。

アクロボールで書くのも同じくらい楽しければ、別に自分はブレンが好きなのではなく、単に「なめらかにインクが出る油性の青ボールペンなら何でも好きな人」だということになるかもしれません。
それともそれぞれの好きに説明できるほどの差があるのでしょうか。

なぜここでアクロボールの名前が出てきたのかには理由があります。
かつての青の研究、BLUE-4です。
一つの軸にいろんなメーカーのボールペンの青の芯を入れて色味を比較してみようという実験で、2012年から2016年にかけて4年ほどだらだらと使い、自分の中で結論も出しました。
なので「BLUE-4の中で唯一リピートしてもいいなと思う芯」であったアクロボールをここで指名するのは自然な流れと言えるでしょう。

しかしおもしろいのはBLUE-4ではまったく話にならなかったスラリの芯がこのたびの研究では主役に躍り出ていることです。

もちろん多色ボールペンに入っている芯(EK芯)と単色ボールペンに入っている芯(EQ芯)とでは品質に差があってもおかしくありません。
それにエマルジョンインクのボールペンが世に出てから約10年が経過しています。
その間にインクやチップの品質も改善されたのかもしれません。

というわけで、今回は油性の青ボールペンの魅力に再び目覚めるきっかけになったZEBRAのブレン、ブレンではない軸でエマルジョンインクを試すための同社のスラリ、そして先行研究において優秀であったPILOTのアクロボールの3本を調査対象とすることにします。
油性の青ボールペンの魅力を考える会・その3(調査対象2)。_f0220714_19111248.jpg
なおタイトルに「油性の青ボールペン」とあるのに油性でもゲルでもないエマルジョンインクを油性ボールペンのくくりに入れてしまっていますが、これは今なお猫町の中ではスラリは「新油性ボールペン」の一つであるためです。
乱暴な分類をお許しください(その4に続く)。

Commented by S6061_K at 2020-10-12 00:51 x
どうも、通りすがりの規格マニアです。一般的には色素や添加剤を溶かし込む溶剤が有機溶剤のものを「油性」と呼びますが、JIS S 6039:2006「油性ボールペン及びレフィル」では「油性ボールペンインキ」とは「筆記によってボールが回転したときの粘度と筆記しない静止状態の粘度との差が少ない高粘度インキ」と定義されており、「油性ボールペン」とは「油性ボールペンインキを用いて筆記するボールペン」であるとされています。お気づきかと思いますが油性と言いながらこの定義の中に溶剤の話は一切出てきません。油中水滴型エマルジョンインクであろうと見かけ粘度が規格で定める1,000mPa・s以上である限り、ブレンやスラリを「油性ボールペン」のくくりに入れるのは規格上は実は間違いではないのでした。
by mukei_font | 2020-09-26 23:59 | 青色筆記具研究所 | Comments(1)

by 猫町フミヲ@無罫フォント
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