久しぶりに書く記事なのに意味不明のタイトルですが、前々から思っていたことを書きます。
低粘度の油性ボールペンの宿命といえば書き出しにかすれることです。
これについては以前「インクをなめらかにしたぶん、とばとば出ないよう、乾きやすいインクになっているから」という理由を聞いたことがあります。
猫町が文具店員時代なので古い話ですが、それでもまあ今もそういうところがあるんじゃないかと勝手に思っています。
ということでPILOTのアクロボールもZEBRAのスラリもそんな感じなのですが、特にスラリがかすれすぎかなあと思います。
書き出しにかすれることを忘れていきなり書き始めてしまうもインクがついて来ず、(しまった…)と思う頃にようやくインクが出ていびつな線や文字になる、ということを何度も繰り返してしまいます。
そしてそのたびに寝起きに電話がかかってきた時のダミ声などをイメージするのです。
あのほとんど声が出ない感じ。
出てもかすれている感じ。
おまけに無愛想な感じ。
自分にとってはスラリはそういうボールペンです。
が、エンジンがひとたび温まるととてもひかえめでいい仕事をしてくれるので、猫町は使い始めにぐるぐるやにょろにょろをシャシャッと書いてダミ声から脱する作業を意識してすることにしています。
幸い猫町の仕事場の机にはたいていメモ用紙や付箋の残骸(キッズやティーンのテキストの表紙に前回貼り付けたものをはがしたもの)が貼り付いているので、ぐるぐるやにょろにょろを書き殴る場所は目の前にあるのです。
そしてそこにシャシャッとにょろにょろを書いている自分は重要書類に決裁のサインをしている会社の重役みたいで超かっこいいのです。
のろのろ字を書く自分が唯一素早くペンを動かす瞬間。
それがスラリを使い始める合図なのです。
自分で作ったボールペンなのにまだまだ修行が足りません。